2015年10月31日

2015.10.31.海外新企画のそぞろごと

秋の日はつるべ落とし、あっという間に一日が終わる。
少し前にお屠蘇を飲んだと思ったら、もう年末も近い。
あら?毎回こんなニュアンスの書き出しのような気もするなあ・・・。
さて、海外の新企画。

その1:
新規立ち上げの海外向けサイトに参加〜〜!!! ぱちぱちぱちっ!
”ジャパニーク(JAPANIQUE)”という新規サイトである。

   japanique.jpg

主にヨーロッパやアメリカに向けて日本的な工芸を発信する企画なのだそうだ。
今年の春にお声掛け頂き、新しい試みでなんだか面白そう・・・ということで即参加!
制作風景の取材などを経て、12人の工芸家のひとりとして掲載して下さっている。
カッコいいHPで、皆さんの作品も素晴らしく、そこに参加させていただくことができて大変光栄である。

自分が制作しているところを自分で見たことがなかったが、こうして改めて画像で取り上げられると、やはり想像したとおり、性別不明の迫力ある姿(いつもは更に防護面を被っているので、もっとスゴイのだが・・・)である。
さて、海外からの個数限定の受注生産という形態は、さて今後どんな展開になるかな?
ご興味ある方は、こちらをご覧いただければ幸いです。


その2:
四国うどん県の香川、高松市で始めての展覧会。
愛媛県では相当昔に何度か個展やグループ展のお声掛けを頂き、参加させて頂いたことがある。
しかし、関西からはちょっと遠い上に言語聴覚士の仕事の調整が出来ず、拙作のみ行ってらっしゃい状態だった。

         20151103納屋de手仕事.jpg

今回は淡路島を通れば比較的近いし、うどんが好きである当方としては、やはり行くしかないでしょう。
50代最後の展覧会だもんね、と言うことで、11月2日には海外(え〜っと・・・、やはり四国も海の向こうということで・・・)に渡ることとなった。

初日(11/3)と最終日(11/11)は在廊しております。
お近くにお住まいの方は、是非のぞいてみて下さいませ。

因みに当方、一番遠い海外旅行は屋久島です・・・。


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2015年05月31日

2015.5.24.驚くことのそぞろごと

久々のお江戸である。
着物専門店《銀座もとじ》さんの『夏のコモノ展』在廊が主目的であるが、せっかくの上京なので美術展などものぞいてみたい。
ということで今回は在廊前日に、原宿にある太田記念美術館で開催中の『広重と清親』を鑑賞。

広重と清親.jpg

今回は、映画「百日紅」上演記念として、葛飾応為の「吉原格子先之図」も特別展示されている。
軸になったこの作品は思った以上に小さくて驚く。
サイズは26.3×39.4pでおよそB4サイズだ。

葛飾応為「吉原格子先之図」.jpg

購入したリーフレットには、この作品が原寸大で引き出せるように掲載されている。
サイズが実感できて、これはマル。

当方、まとまった数の浮世絵をゆっくりじっくりと鑑賞するのは初めてである。
今まで本などで観ては「浮世絵も面白いなあ〜」と思っていたが、ずらりと並ぶ実物を目の当たりにすると・・・、す、すごいっ・・・。

絵師である広重や清親の構図や表現の素晴らしさは言わずもがなだが、それを実現する彫師や摺師達の存在がヒシヒシと感じられる。
チームを組んだプロ集団が浮世絵を完成させるのである。
本からはあまり感じられなかったのだが、実物を目の当たりにすると、作品の中に大勢の人達の存在があるのだ。
これにはたいへん驚いた。

歌川広重「名所江戸百景 亀戸梅屋舗.jpg

素晴らしい原画を元に生み出されたぼかし、寸分の狂いもない配色や線・・・。
このハイレベルの作品を、例えば摺師は一日約200枚摺ったというから、プロはすごい!
またそれができる人間とはすごい生き物だと驚く。

また、清親は明治初期まで活動していたということも、知らんかったなぁ・・・
自分の浮世絵への知識のなさによる驚きであった。

小林清親「武蔵百景之内 隅田川水神森.jpg

しかしまあ、東京ではこんなにいつでもどこでも面白い企画の美術展が見られるなんて、関東在住の人が羨まし〜ヮ。
関西には来ないもんね…、残念…


日付変わって、銀座もとじさんでの在廊だ。
在廊と言っても、壁の花、ならぬ壁の枯れ木、枯れ木も山の賑わい程度の当方は、スタッフの方やご来店の方々の様子を観察するのがメインのお仕事である?!
そこで驚いたのが、スタッフの方の選択眼。

着物や帯の品揃いは素晴らしいのはもちろんだが、ご来店の方の好みや雰囲気を踏まえたうえで、「この着物にはこの帯、そしてこの帯締め、そしてこの帯留などいかがでしょう?」と組み立てていかれる。

目の前に並べられたそのコーディネートが「かっこいい〜〜っ!!!」
生成りの地に渋い藍色の絣縞が不規則に入った喜如嘉の芭蕉布の帯、その上に臙脂色の帯締め。
そこに、定色(さだいろ)の金箔をサンドブラストして紅が透けて見える、拙作帯留がコーディネートされた時は、ほんとうに惚れ惚れして、「欲しいなあ〜」と思った。

最初にその芭蕉布の帯を単体で見た時は「素敵だなあ」と思ったものの、強く欲しいとは思わなかったのだが、不思議なことにコーディネート後は「全部まとめて欲しい!」と強く思ったのである。
もちろん、帯のお値段は半端ではなかったので、言っておくが「思った」だけである。

しかし、自分で言うのもなんだが、拙作もかっこよく映えて見えたのは、お店のスタッフの方の選択眼・審美眼のなせる業。
「流石プロだ!」とこれまた驚いた。

お陰様で60年ほど生かせていただだいているが、まだまだ驚くことは多そうである。

オマケ:5月20日発売の「美しいキモノ夏号」のセレクトショップに掲載されました。
これもちょっと驚く?!

美しいキモノ 2015年 夏号.jpg
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2015年01月28日

2015.1.26.真鶴のそぞろごと

数ヶ月前にgontitiさんのコンサートの記事をアップしたと思っていたら、それは一年前のことなのだった。
気がつけば還暦の年女、こんなに早く一年が経つなんて、もう人生の想定外である。

うかうかしているとやりたいこと山積のまま人生を終えかねない。
(まあ、人の寿命はそんなものだろうが・・・)
僅かばかりの当方の知識ではあるが、言語聴覚士を目指す学生さんにお伝えして頑張って頂きたいし、神経筋難病による言語障害や摂食嚥下障害で大変な思いをしておられる方々のほんの少しでもお役に立ちたいし、鉱物もいろいろと勉強したいし、ガラスも一杯作りたいイメージがあるがなかなか作る時間がない・・・
う〜ん、時間が少なすぎるぅ・・・
これこれ、そこの私!! そんな文句をいっている時間があったら、手を動かせ手をっ!

という訳で(どんな訳や・・・)、今年初の個展は神奈川県真鶴ギャラリーaTo(あと)さんである。
オープン前日に初めてお邪魔した。
初めて降り立った真鶴駅で、オーナーのSさんとはじめましてのご挨拶もそこそこに、海が見える道を車で走る。
あっという間に高台のお宅兼ギャラリー到着。
うわ〜、なんて素敵〜〜〜!!

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洋画家の中川一成画伯がアトリエを構えておられた跡地(あとち)に作ったギャラリーなのでaTo(あと)なのだそうだ。
なるほど〜

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エントランスに感激しつつ、螺旋階段を上り2階のギャラリー部分にお邪魔する。

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まあ〜! なんておしゃれなお宅だっ!!
広い2階テラス窓から眼下に海と真鶴半島の素晴らしい眺望が広がる。

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そしてオーナーのSさんご夫妻とあらためてご挨拶。
このご夫妻がまた素敵っ!
とっても穏やかでユーモアたっぷりで、さり気なくあらゆる所でお心配りをして下さる。
こんな素敵な状況で個展を開けるなんて、なんて幸せ〜〜


で、展示作業開始である。
ありがたい事に、初日を間違えて今日来ちゃった(!?)というギャラリーお馴染みのお客様が展示を手伝ってくださり、ああだこうだと楽しく検討しつつ、無事展示完了。

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一旦宿に戻って、夕暮れのなか、中川一成美術館に向かって散歩する。
真鶴半島は、一部の道路では右も左も海がすぐ見えるほどの細長く小さい半島である。
切り立った崖のすぐ下は海なのに、山側の森は松や楠のとんでもない巨木がうっそうと茂っている。
不思議な景観である。
伺ってみるとここは地元では「お林」と呼ばれており、魚を育み守る森林として明治から全く伐採されていない「魚つき保安林」なのだそうだ。
どんどん闇が迫る時刻、波の音と巨木の枝葉を揺らす風の音だけが聞こえ、何か自然の怪しい力を感じるひと時だった。

夕食はご夫妻のご好意でお宅でご馳走になる。
はじめて頂くキンメダイのお刺身の美味しいこと!
これ以外にも奥様手作りの料理が、素敵な食器の盛り付けで所狭しと並ぶ。
お料理がとんでもなくお上手で、聴けば息子さんが葉山でイタリアンレストランを営んでおられるとのこと。
きっと舌が肥えておられるお母様の美味しい手料理の味を、息子さんが引き継いでおられるのだろう。
機会があれば是非お店にお邪魔したいものだ。
ワイワイと楽しく歓談しつつ、ワインも3本あけてしまう。
満足度200%である。

その途中、当方が少々石好きである事に話題が及ぶ。
お恥ずかしい事に勉強不足で全く知らなかったが、真鶴は小松石という石材の産地なのだそうだ。

小松石は箱根火山の活動により今から40〜15万年前に流出した溶岩よりできた安山岩だそうで、「西の庵治石、東の本小松」と言われるほどの銘石なのだそうだ。
また、日本の石材産地の中では最も古い歴史を持つ産地で、江戸時代三百年間は官営採石場「御用丁場」だったそうだ。
石の世界は鉱物、岩石、石材、宝石・・・とそれぞれ絡みつつ奥が深いようで、興味津々である。
そして、な、な、なんと翌朝はギャラリーオープン前に本小松石の石切り場見学〜〜〜っ!!となる。
嬉しい、嬉しい!!

さて翌朝、ワクワクしながら作業場到着。

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作業中の本小松石は表面は茶色でヤケているがそのやけ方が上品で、切って研磨するとキメが細かく緑色がかった灰色の石肌が温かくもシャープな、本当に美しい石材だ。
そこから石切り場に車で移動。
更に徒歩でどんどん路頭に近づくと、人があんなに小さい・・・

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言葉では表現できない位、景観が凄すぎるぅ〜〜〜!
絶句と感動である。

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感動し過ぎているといつの間にか時間が過ぎて、オープンギリギリ。
ふと我に返ると足元は泥だらけである。
当方、石を見ると採集モードに入ってしまって、前後の見境がなくなり泥汚れもへっちゃらぁ〜〜だが・・・
今日は在廊初日の服装と靴なのだが、それが泥だらけなのである。
あちゃ〜・・・
泥だらけの靴でSさんの車に乗り込んで車のシートを泥だらけにし、ギャラリー玄関も泥だらけとなる。
ほんと、ごめんなさい m(_ _;)mあせあせ(飛び散る汗)

ズボンの泥をこすってなんとかごまかしていると、三々五々お客様が来てくださる。
ギャラリーをご贔屓のユニークなお客様方とのお話には、Sさんご夫妻とのやり取りに当方も混じらせて頂き、たいへん楽しませて頂いた。
また、記事を頼りにわざわざ横浜から来てくださった方とのお話しには、このまま自分が思うように作っていていいんだとたいへん励まされた。
本当に皆さん、ありがとうございました。

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夕刻においとましましょうと、ふと玄関を見ると、あぁ〜〜〜〜〜・・・
当方の泥だらけの靴がぴかぴかになっていた。
Sさんが洗ってくださったのだ。
隅から隅までお気遣い、本当にほんとうにありがとうございました。

こんな楽しく充実したひと時を体験できたなんて、なんて私はしあわせ者だろう!
この上なく良い感じで始まった今年。
還暦で暦も還ったし、1歳の振り出しに戻って、今をしっかり楽しもう!!

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posted by 田上惠美子 at 01:30| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年07月10日

2014.7.9.硝子略歴のそぞろごと

そういえば前の記事は大雪の最中の搬入だった。
あっという間の数ヶ月、今回は二年ぶりの天善堂での個展である。

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今年も天善堂の皆さんが、本当に素敵な空間を作ってくださった。

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マッタリゆったり出来る、和の空間。
感謝感謝である。

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このところ有り難い事に、銀座もとじさんや心斎橋なかむら屋さんなど、著名なお店からのお声掛けを頂戴したこともあり、今回は帯留めや帯飾りなど呉服関係のものを多く出展させていただいている。

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さて、初日。
当方在廊時に来廊頂いた方から「どれくらいガラスをやっておられるのですか?」と聞かれたので「ざっと20年足らずですかねえ」とお答えした。
無事初日終了〜。

お買い求め頂いた拙作に添付する略歴用紙が残り少ない事に気付き、帰宅して略歴を印刷する事にした。
ガラス略歴の記載内容を念のため確認していると・・・、あれれ?どうも計算が合わないなあ・・・
自分の略歴を見て指折り逆算すると、な、な、なんと、ガラスを始めてから30数年である!

言語聴覚士の仕事をしつつ「老後の楽しみに好きなガラスでも・・・」とガラス教室に通い、ひょんなことで長野県美麻村にあった遊学舎で開催されたガラスワークショップに参加して、ものすごいカルチャーショックを受け、硝子制作に嵌ってしまったのが1980年台。
「そうか、いつの間にか、ガラスを30年もやってるんや・・・」
カルチャーショックならぬ、自己年齢ショックである。

30年もやってて、なぜもっと上手くなっていないのか?! ホント、謎である。
しかし落ち込んでも仕方ない。
「二足の草鞋で途切れ途切れで細々とやってるんやから、しゃーないね(え〜、関西弁で「仕方ないね」ということです。関西弁はそのまま文字にすると違和感が強いですね〜?!)。腕前もまあこんなもんで、諦めよか。」と自分をなんとか納得させる。
ここ数年、自分に言い聞かせているモットーである『50点で100点だ』の文言の再登場だ。

ガラスで試してみたい技法は増える一方。
頭の中では上手く行くのに、実際にやってみると意外なところで躓いたり、別のものになってしまったり・・・。
まあ、その試行錯誤が楽しいから、やっているようなものだ。

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熱い作業、あと何年できるかわからないが、これからも展覧会で「面白い、美しい」と言ってもらえるのを励みに、細々とではあるが、今出来ることを今出来るように、やっていこう。



posted by 田上惠美子 at 00:17| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年02月20日

2014.2.16. 大雪搬入のそぞろごと

時が経つのは速い。
「奈良での個展の制作に励まなくっちゃ」と思っていたら、もう搬入日である。

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当方が作っている蜻蛉玉やコアガラスは、搬入前の細かな準備は大変だが、搬入作業自体は大きなものより少し楽である。
絵画や陶芸など大きな作品は自分で持っていけず、トラックをレンタルしたり事前に梱包して宅急便で送ったりと移動が大ごとになる。
それに比べて拙作はガラスの為小さい割には重いものの、7,8個の手提げ袋にブツを詰めて、あとは車の後部座席に乗せて走ればOK!

・・・だったはすだが、今回は違った。
朝起きたら、あらら・・・、あたり一面の雪、雪!大雪だっ!!ガ〜ン!
きっと搬入先の奈良はもっと雪だ・・・

あれこれ考えたものの、結局、息子に手持ち搬入を手伝ってもらうこととなった。
こういう時に鉱物採集用に買った長靴が役に立つとは予想もしなかったわ。

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なんとか二人で手持ち出来るように荷物を減らし、キャリーバッグに積んで引っ張るも雪に埋もれてタイヤが回転せず、まるでソリを引いているように移動した跡が残っていく。
家から駅まで徒歩で15分、電車を乗り継いで1時間余り、そしてまた徒歩でギャラリーまで5分。
大荷物を引っ張って雪の降りしきる中を移動し、電車に乗り込んで荷物を支える我々の姿は、懐かしくもホノボノとした哀愁が漂う、雪国の行商親子なのであった〜〜

一夜明けて個展初日の在廊日、やはり現地は雪が残る。

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奈良学園前のギャラリーそばの大和文華館も積雪で何本か木の枝が折れているが、そんな中でもしっかりと梅は咲き始めている。

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確実に春は近づいているのだなあ。

今回は、日本クラフトに入選したコアガラス、矢野太昭先生にご指導いただいたバーナーブローのショットグラス、0.4〜0.5mmのラインをマスキングした蜻蛉玉の『綾』シリーズを中心に出してみた。

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甲状腺眼症が改善して嬉しくて目を酷使し過ぎたせいか、どうも眼は逆戻りの感もあるが、どうも性分が驀進してしまうタチなので仕方ない。
後悔はないが、梅でも眺めながらここらでちょっと目を休めようっと。

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お近くをお通りの折は、ご高覧いただければ幸いである。

posted by 田上惠美子 at 00:05| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする